Sunday, December 22, 2013

遼、惜敗…アジア連覇導けず「負けたことがつらい」/ロイヤルT



 ロイヤル・トロフィー最終日(22日、中国・広州の九竜湖GC)マッチプレーによるシングルス8試合を行い、石川遼(22)はマーク・ウォーレン(32)=英国=に1ダウンで敗れ、藤田寛之(44)=葛城GC=もベルント・ビースベルガー(28)=オーストリア=に3&2の黒星。この日2勝1分け5敗だったアジアは通算7・5-8・5で逆転負けを喫し、大会通算成績が2勝5敗となった。

残り4ホールでリードを許した石川が、驚異の粘りでイーブンまで持ち込み、土壇場で迎えた最終18番(パー4)。第3打で難しいグリーン奥ラフからのアプローチをミスしてボギー。ウォーレン(英国)がパーセーブし、1ダウンで惜敗した。「いい集中力でプレーできたが、チームが負けてしまったことがつらい」とアジアを連覇に導けず残念がった。

中国にまで駆けつけた横田真一の研究内容



中国にまで駆けつけた横田真一の研究内容
マッチプレーは神経研究には最適な場所?
中国・広州市で行われたアジア選抜と欧州選抜の対抗戦「ザ・ロイヤルトロフィ」の会場で、日本のツアーではおなじみのプロを発見した。だが、出場する選手ではない。メディアがつけるゼッケンを着用し、手にしたノートには熱心になにごとか書き付けている。今回は別の肩書きで紹介した方が良いだろう。“順天堂大学 医学研究科 修士課程”で自律神経の研究をしている横田真一、その人だ。

横田が研究しているのは、交感神経と副交感神経のバランスがパフォーマンスに及ぼす影響について。簡単にいえば、交感神経は緊張や興奮で活発となり、逆に副交感神経は自信や安心によって増幅される。交感・副交感の両方が活発な状態が、いわゆる“ゾーン”に近いのだという。

練習日は石川遼のプレーに付き従いながら、交感神経と副交感神経のバランスをチェックして、プレー結果と照らし合わせていた。そんな横田の研究成果によって、選手たちのパフォーマンスが科学的に改善されていく日も近いのかもしれない。

アマチュアにとっては、朝イチのティショットや、パーで上がればベストスコア更新となる最終ホールなどは、緊張が強く交感神経が優位になる状態だという。そのままでは副交感神経が上がってこないので、「どうせ下手なんだから、当たればいいや」と開き直ったり、交感神経が優位になると動作が速くなる傾向を認識し、「ゆったりやろうとしてもできないから、パチンと打ってみる」等の工夫をするのが良いのでは? これが研究の内容をかみ砕いて教えてくれた横田からのアドバイスだ。(中国・広州市/今岡涼太)

藤田寛之 世界のパワーに触れて再び世界を目指す



藤田寛之 世界のパワーに触れて再び世界を目指す
来季へのリベンジを誓った藤田寛之 ザ・ロイヤルトロフィ(2013)(最終日) 写真・村上航
ザ・ロイヤルトロフィ(12月20~22日、中国・広州 ドラゴンレイクGC、6968ヤード、パー72)

 アジア選抜対欧州選抜の対抗戦「ザ・ロイヤルトロフィ」最終日、シングルス戦が行われ、藤田寛之はベルント・ウィスバーガーと対戦し、3アンド2で敗戦。ワールドランキング52位と今回の欧州選抜では最上位のウィスバーガーに対して藤田は145位と、ランキング通りの結果となってしまった。

 藤田は1番(パー5)からバーディでポイントを奪うが、3番(パー3)でボギーとしてポイント献上。5番(パー4)でバーディを奪われたが、7番(パー3)で6メートルのバーディパットを沈めて追いつき、前半はオールスクエアで折り返す。

 しかし後半に入って地力の差が出た。
 
 ウィスバーガーは10番(パー4)で1メートル、11番(パー5)で2メートルをモノにして連続バーディで2アップ。逆に藤田は13番(パー3)でアプローチミスから4メートルのパーパットを外して、3ダウン。14番(パー4)、15番(パー4)で連続バーディを奪ったが、藤田の内側につけていたウィスバーガーもきっちりバーディを奪い、スキを見せずに、そのまま3アンド2で勝負は決した。

「早い段階でバーディを取って、自分が相手にプレッシャーをかけられるようなプレーができず、最終的に引き離されてしまったというのが残念ですね。内容的にはよくも悪くもないという感じでしたけど、相手が自分を上回るプレーという感じでした。13番のアプローチミスも痛かったですね。最後だったから勝ちたかったし、チームに貢献できなくて残念でした」

 13番は、ピッチエンドランで転がして寄せるつもりが、思った以上に早く止まってしまい4メートル残った。パッティングも含めて、藤田らしいショートゲームが影を潜めた。

「グリーンが硬そうに見えて柔らかかったり、逆だったり。南のほう特有の芝なので、あまり経験がないですね。芝目もあると思って膨らませて読んだり、意識しすぎてしまいました。日本ツアーはキレイなグリーンばかりですが、メジャーも含めて海外では慣れていない芝に苦戦することが多いです日頃の環境の違いを今回も感じました」

 今年1年、ショットに悩んだが、大会直前の打ち込み、今大会で実戦を通してやっていくなかで光明を見いだせた。

「ドライバーがこすり球ばかりでしたが、つかまったボールが増えてきました。体を開かずにしっかりと残す意識でよくなりました。今頃気がつきました。シーズン終わりなのに……。この課題を来シーズンまでにクリアして、来年は今年のようなことがないように、メジャーとかWGC、そしてこういう団体戦に出られるようにワールドランキングを上げたいですね。また世界の舞台でゴルフがやりたいですよ」

 藤田のドライバーとウィスバーガーの3番ウッドの飛距離が変わらないなど、あらためて世界のパワーを肌で感じ、刺激を受けた。また世界の舞台に戻るために、44歳は挑戦意欲を燃やす。

初出場の藤田寛之「最後は勝ちたかった」



初出場の藤田寛之「最後は勝ちたかった」
初出場となった今大会を終えた藤田寛之。楽しさと収穫、それに悔しさを胸にシーズンオフへ突入する
「ザ・ロイヤルトロフィ」最終日、シングルス戦の第7マッチに出場した藤田寛之は、オーストリアのベルント・ウィスバーガーと対戦するも3&2で敗戦。初出場となった今大会の個人通算成績を1勝2敗で終え、悔しさを滲ませた。

「残念でした。我々が有利な立場にいたけど、それをものにできなかったのが痛い。自分もチームのためにポイントを挙げることができれば良かったけど、貢献できずに残念です」。

この日の藤田は、1番(パー5)でアプローチを1メートルにピタリとつけてバーディを先行させるなど、16ホールを終えて4バーディ2ボギーとまずまずのゴルフ。だが、ウィスバーガーはそれを上回る5バーディノーボギーで16ホールを駆け抜けた。「最後は勝ちたかったけど、ヨーロッパの選手は強いし、2アンダーくらいではダメでしょう。選手としてのレベルを上げていかないと・・・」と反省の言葉が続いた。

今大会は各チーム8人ずつが出場し、2人1組で国を背負うワールドカップとは1人に掛かるプレッシャーも違ってくる。「(チームの)人数が少ないと乗っかってくるものも大きくなる。今回は楽しかった方が大きかった」と、藤田はいう。「年をとっての団体戦だったので、余計楽しかったのかな」。

2013シーズンを未勝利で終えた藤田にとっては、この試合がオフシーズンへ向けての良い刺激となったことは間違いない。「ゴルフはまた作り直していかないといけない。それが、こういう団体戦やメジャー大会、WGCに繋がっていく」。いつもは雄弁な藤田だが、この日はすでに自己を見つめ直すオフモードに入ったかのような、淡々とした語り口が印象的だった。(中国・広州市/今岡涼太)

収穫の多かった石川遼、キャディとの“あうんの呼吸”も光った



収穫の多かった石川遼、キャディとの“あうんの呼吸”も光った
名タッグぶりを見せながら勝利に結びつけることができなかった石川遼 ザ・ロイヤルトロフィ(2013)(最終日) 写真・村上航
ザ・ロイヤルトロフィ(12月20~22日、中国・広州 ドラゴンレイクGC、6968ヤード、パー72)

 1組目のキラデク・アフィバーンラト、2組目のトンチャイ・ジェイディーが勝利し、その勢いを持続させたかった石川遼だったが、オールスクエアで迎えた最終18番(パー4)の2打目は、グリーン奥のラフへ。

「ちょっと目玉っぽくなっていた」

 という3打目は、トップして大きくカップを外してしまい、返しのパットも決まらず惜しくも1ダウンでマーク・ウォーレンに屈してしまった。

「初めて回った選手でしたが、安定していたし、序盤から手ごわい相手だったと思います。けれどパッティングも自信を持って打てていたし、食らいついていけたと思います。9番から3ホールは自分のショットがぶれていたので、相手に流れがいっちゃったかなという感じでしたが、13番からはショットがよくなってきて、このショットとパットだったら来年が楽しみだなと思いました」

 強敵との対決に、得るものも多かった石川。特にパッティングについては、前戦のタイランド選手権からコンビを組んでいる佐藤賢和キャディと、入念にパッティングラインを相談。

「これまでは自分からキャディにラインを相談することはあまりなかったんですけど、今回の佐藤さんに関しては違うなと。二人の呼吸というか、感性が合っていたと思います。僕がフックで佐藤さんがスライスと読んで、佐藤さんが合っていたこともありました。お互いに“あうんの呼吸”があるのかと思うし、信頼感ができている。2週間非常にいい感じでできました。チャンスがあればまたお願いしたいと思います」

 その“あうんの呼吸”の代名詞だったのが、15番(パー4)の第3打。

「グリーンに乗ってフック、手前がスライスの難しいラインでした」(佐藤キャディ)

 というカラーからの9メートルのパットを見事に沈め、会心のガッツポーズも見せた。


 石川は今大会5回目の出場。しかもこの2年は非常にスリリングな戦いを体感した。

「最後の最後までわからない戦いだったので、団体戦のそういう雰囲気も感じるし、非常に貴重な経験だったなと思いました」

 今年は米ツアーに本格参戦し、入れ替え戦も経験するなど大きな変化のある一年だった石川。2013年最終戦に敗れはしたが、来季に向けて大きな収穫があった大会だったといえるだろう。